周防大島弁講座。

こんにちは。

LINEスタンプでか文字特集に参加した事は、弊社トップページのインフォメーションでもお知らせいたしましたが、
周防大島弁というのは全く馴染みが無いだろうと思いまして。
僭越ながら周防大島弁について少しお話をしてみたいと思います。

実は私、周防大島出身者ではありません。
ただ、スタンプを作る為に、この地方の方言の本を、図書館でたくさん借りて勉強しました。
調べてみると、結構本が出ているのです、祝島弁のみの本などもあったり。
(祝島は、お隣の町の島で、全国的には神舞などで有名な島ですが、独自の方言を持っています。)余談でしたが。
生まれてからずっと山口県を出た事が無いので、この地方の方言は粗方分かりますし、
何となくのニュアンスが伝われば良いなぁ、という程度にご紹介です。

deka_01まずは、これ。
どねーもこねーもならんでー、ですが、標準語では「どうにもこうにもいかない」でしょうか。もう何をやってもダメ、というような感じです。転じて「無駄無駄!」とか「手遅れじゃ」というときにも使います。

deka_02次はこれ。
どーしょーかしら、ですが、標準語では「どのようにしたら良いかしら」となります。男性が言う場合は、「どーしょーかのぉー?」となりますが、キャラクターに合わせて柔らかい感じに仕上げました。

deka_03どんどんいきます。
どげーなかの。標準語では「どのような具合ですか?」「進行状況を教えてください」とか、かな。田舎では、かなり幅広く使います。挨拶にもなります、「お久しぶり、元気?」みたいな感じですね。とにかく、困ったら「どねーなかの?」とか「どれーなん?」とか言えば、会話が繋がっていく感じがします。怒っているのか、普通の顔で言うのか楽しそうに聞くのか、でニュアンスが変わってくる感じです。

deka_04今回の会心作です。
オレン爺さんのお父さんのネーブル爺さん、新キャラクターになります。ほんでどーっちゅうんかいや、標準語では「だから何なんだ」という訳ですかね。

deka_05新キャラのポンカンさん。
オレン爺さんとデコポン婆さんの娘です。どやしゃげられたいね、は「怒られたー」ですね。ちょっと口元を上げて描いていますので、笑い話としての報告、みたいな雰囲気です。

deka_06こらも新キャラ伊予柑さん。
ポンカンさんのお婿さんです。サザエさんでいうところのマスオさん的役です。どーかいのぉは、どげーなかのと同じ意味なのですが、もう少し直接的な「どう?」とか「できた?」とか「進んだ?」とか、その辺かなぁ。

deka_07キャラ設定ですが・・・
伊予柑さんは、ずーっとパーティ眼鏡をかけています。本当にビックリな事が起こると、眼鏡を外したり放り投げたりします。そういう設定で作りました。どひょーしえーで、は「物凄く良い」です。人により、または地域によっては、どようしえぇのぉになったりするのですが、周防大島は「よ」に近い「ひょ」かなぁ、と思うのです。

deka_08気に入っちゃった・・・
ネーブル爺さん、2度目の登場です。書き忘れましたが、3コマ目でオレン爺さんが抱っこしている赤ちゃんはレモン坊やと言いまして、ポンカンさんと伊予柑さんの子供です。この8コマ目はレモン坊やだけで作ろうと思ってたのですけど、ネーブル爺さんにしちゃいました。はーどーもなーど、は「もう大丈夫」かなぁ。体調不良からの回復時、もしくは何かが壊れて修理した、などで使います。

はい、半分はオレンジファミリーの紹介になってしまいましたが、周防大島弁、面白いと思いませんか?
多少、私なりの誤解釈も入ってるかもしれませんが、大きくはハズレてないはずです。
もし良ければ、でか文字スタンプを使ってみていただけると嬉しいです。

参考図書(申し訳ありませんが敬称略です)
山口弁(周南地方)辞典 阿部啓治
周防大島方言集  柳田国男、原安雄
大島の方言と訛集 河合美雄
昭和日本語の方言 第3巻(山口県祝島方言 ) 藤原 与一
周防大島ことば大全 山本隆志
柳井の方言 中川健次郎
中国・四国の方言  井上史雄
山口県方言辞典  山中六彦
面白くて為になる山口弁よもやま話 森川信夫